鉄道写真…それは、大きな白レンズの付いた一眼レフで撮るもの、というのが普遍化された姿*1とされます。
しかし、時代は移り変わり、2010年代後半にはミラーレス一眼の祖、オリンパスはもちろんのこと、SONY、Panasonicと各メーカーからミラーレス一眼というカメラのジャンルが拡大されていきます。2010年代前半にはよく撮影地で「ミラーレス一眼では鉄道写真は撮れない」と小馬鹿にされたものですが、現在ではキヤノンやニコンまで参入する始末*2、当然現在こんな発言をしようものなら時代錯誤とも言える状況です。実際、一眼レフのエントリー機の新製品を世に送り出しているのはキヤノンだけになってしまいました*3。
さて、世が世なら"人はミラーレス一眼で鉄道写真を撮れるか"というタイトルになるわけですが、先の背景からその題では話を展開するに値しないことは明らかでしょう。そこで、兼ねてから言われている"スマホ鉄""コンデジ鉄"というジャンルが確かに存在し、特に前者は若年層を中心に多数存在しています*4。筆者としては、鉄道写真を撮るうえではスマホよりコンデジの方に優位性がある、と判断しています。それは、筆者が考える鉄道写真に使用するカメラに要求する要素を見ればわかるでしょう。
その要素というのは
①連写性能
②AF性能
③望遠
の3点です。
①については、1秒あたり何コマ撮れるか、多ければ切り位置のミスをカバーできます。
②については、ピント合わせです。動きモノにはより速く正確なAFが要求されます。一番大事なファクターかもしれません。
③については、鉄道写真は望遠を要求することが多いため、これも重要です。スマホが現在一番苦手としているファクターです。
この3つを満たすコンデジ、実は筆者は持っていました。それがこれです。
RX100VI(DSC-RX100M6) | デジタルスチルカメラ Cyber-shot サイバーショット | ソニー (sony.jp)
世間的には所謂"高級コンデジ"と呼ばれるカメラで、発売から4年半(執筆時点)経った、まあ真新しくはないカメラです。現に、この機種は既にディスコンされています(この機種の後継は最新機のRX100M7が相当します)。高級コンデジと呼ばれるだけあり、RX100M6は購入時12万程度、RX100M7は現在17万程度するそうです*5。
さて、RX100M6の肝心な特徴としましては、
①電子24コマ/秒・メカ10コマ/秒のAF・AE追従高速連写
積層型の裏面照射センサー(Exmor RS)採用のため、電子シャッターでも歪みは少ない(歪まないとは言ってない)ですが、メカ秒間10コマあれば十分なので筆者はメカ(連写設定をMID)にしています。また、RAW+JPG設定も出来るのが嬉しいところ。
②315点像面位相差AFによる0.03秒高速AF
AF速度は状況によって変わりますが、像面位相差AFを採用しているため、そこらの一眼と大差ありません。爆速です。像面位相差AFとは、カメラのイメージセンサの画素の一部をAFに割り当て(そこは欠損画素となる)、位相差AFと同様な働きをするAFになります。位相差AFとの違いは、イメージセンサのほかに位相差AFセンサがあるか、ないかという点になります。まあ、一眼並みのAFを引っ提げているわけです。またそのセンサも1型センサであるため、一眼ほどではないにしろ、そこら辺のコンデジ(1/2.3型が主流)や、スマホ(1型のものもあるが、1/1.7型が主流)よりは大きいものになります。
③24-200mm(35mm換算)・F2.8-4.5のレンズで望遠もカバー
RX100M6はRX100シリーズで初めて望遠端200mm(35mm換算)を達成しました。
鉄道写真だとそれくらいは最低限欲しいラインなので、まあここは合格点と言ったところ。RX100M5以前はもっと明るいレンズでしたが、望遠端が70~100mm(35mm)換算だったので、屋外メインならむしろ若干暗くても望遠使えた方が嬉しいですよね。
というわけで、例えばこんな写真が撮れちゃうわけですよ。
結論:人はコンデジで鉄道写真を撮れる
…当然、この流れはスマホでも行けるか、となりますが、以前Xperia5Ⅱの際に白旗を上げています。望遠レンズのセンサーサイズも去ることながら、画像処理技術の向上・新たなAFを引っ提げた"あのスマホ"のレビューを計画中です。
【参考記事】
・【Xperia5Ⅱ遅速レビュー】最近のXperiaは本当にオワコンなのか - 単焦時間のFocus on!! (hatenablog.com)