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嵐の日も、雪の日も。実例で学ぶ輸送障害

最近寒いです。初雪が観測されるくらいだから、しかたないよね。

地元上空をミサイルが飛んだり、私自身が車に轢かれかけたりあまり良いことはないですが、まぁこんなこともあるよね。

さて、今回は雪が気になる冬の交通機関の話。最も私のテリトリーの話ですが。

 

札幌は北海道の中心都市であり、旭川や函館、帯広といった各都市に高速バスや特急列車が出ています。しかし、冬を知り尽くした交通機関でさえ、酷い悪天候の場合は運休(suspended)となること*1がままあります。雪の日に限らず、大雨で一時的に運休したり*2、台風で木が500本以上なぎ倒されたり*3と、鉄道、特に在来線は悪天候に弱いものであります。

 

読者の方には、筆者が体験した輸送障害をもとに、色々考えていただければな、と思います。札幌~函館間の簡単な図をご用意したので是非適宜見直しながら読み進めてくだされば幸いです。f:id:Taroshowtime:20171025012940p:plain

【Case1】2015年9月「八雲町内豪雨による規制」

2015年9月2日に大雨が降り、同日正午ごろに東室蘭長万部~函館間で全列車の運転見合わせが発表されました。この日の私は札幌を朝に出発し、東室蘭長万部、函館、青森で列車を乗り換え、八戸に21時前に着く予定でした(所謂札幌日中発の北東パスの王道ルートです)。しかし、長万部駅に到着直後に函館方面・東室蘭方面の運休が確定し、復旧のめどが立たなかったため、小樽行きで一旦帰って札幌からまた出直すか、JR線の復旧を待つかということになりましたが、サークル合宿日程上、北に戻ることは許されない状況でした。  

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この通り、雨にしてやられたという。

 

この感じであれば、特急がやってくるのは長万部19時03分発のスーパー北斗14号(当時)で、これを待っていると函館~青森間でフェリーを利用しない限り元の行程に戻すには至難の業でした(函館朝発だと、特急・新幹線乗継でも、朝に八戸を出発した普通列車乗り継ぎルートを岩手県内では抜けず、くりこま高原~古川付近でようやく抜かすことが出来ます。これでは北東パスのメリットが皆無になってしまいます。

特急の前に普通列車があり、これは長万部16時09分発で、函館駅で最終の特急列車である「スーパー白鳥98号」に接続します。函館~(新)青森間(ただし、木古内蟹田間の特急列車停車駅各駅相互区間での利用と、青森~新青森間のみの利用は除く)の北東パスに自由席特急券(1,730円)を足すだけで特急の自由席を利用できたという素敵なサービスがあったので、こいつを利用すれば青森で青い森鉄道線普通列車に、新青森で盛岡行きの新幹線に接続するので、一応所定には戻せますが、前者は着くのが23時台、後者は新幹線の乗車券と特急券を別に買わなければならないのでもうちょっと早いのは無いかという話になります。

 

ここで私は考えました。そういえば14時台にバスがあったな、と。

長万部町内を発車するバスには、日本海側のせたな町・上三本杉に出るバスと、長万部

からそのまま南に直行するバスセンター行きのバスがあります。私は、ハナから函館~青森間は特例で1,730円をプラスして特急を利用する予定だったので、所定とは言わずとも、所定の一本後に十分間に合うのではと考えました。

 

実際、長万部駅前発のバスは14時38分発で約3時間ほどで函館駅前に着くことが判明しました。これなら、最終一本前の白鳥96号に十分に間に合います。長万部駅で路頭に迷うお客さん十数名を引き連れて、バスで函館に向かうことになりました。このバス、函館本線にほぼ並行しているので普段はあまりお客さん乗らないんですよね…

 

17時半過ぎに函館駅に着き、宿(母実家)に連絡を入れたところ「新幹線代出すから早く来てくれ」と要請が出たため、白鳥96号→はやぶさ96号ルートが確定しました。急いできっぷを手配し、白鳥号に乗り込みました。懐かしいですネ。

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これを乗り継ぐと所定八戸20時49分着の所を21時07分まで取り戻せるので、新幹線様々でした。翌日も始発なので新青森から新幹線課金は実に有意義だったと思いますね(バス代と合わせて5,000円くらい余計にかかったけど)。

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そういや、北海道新幹線開業前までは早朝下り、夜間上りのはやぶさ・はやての一部に自由席が設定されていたんですよね。 

 

【Case2】2016年9月「台風10号による倒木」

2016年9月2日、先日の台風10号により、函館本線で発生した倒木の撤去がまだ済んでおらず、函館方面の特急は代替すらない状況でした。翌9月3日に秋田でサークルの合宿、翌週に新潟で学会発表を予定していたこのポンコツは復旧めど立たずの報に途方に暮れていました。

 

この日に何としても最低限函館まで南下しなければならなかったうえ、研究室にできるだけ居たかったため、運休が確定した直後に函館方面の高速バスを調べました。最後の1席だったため即確保。事なきを得ましたが、サークル仲間がまだ券を取れてない*4とのことだったので、高速バスと北海道エアシステムの予約を照会しましたが、当然、満席回答。彼らはレンタカーで函館に向かったそうな。車最強。

 

【Case3】2017年2月「貨物列車脱線」

2017年2月23日に、室蘭本線北入江信号場で貨物列車が脱線。この影響で翌日夕方までの列車の運休が決まり、不幸にも帰省の予定をぶち込んでいた私はまたもや予定の変更を余儀なくされました*5

 

この場合、【Case1】【Case2】とは違い、冒頭の図の青いルートが生きていました。JR側は、赤いルートを一部バス代行(伊達紋別長万部間バス代行)を3往復、青いルートを臨時特急1往復設定しました。私は乗り換えるのが面倒だったのと、山線*6臨時特急にはなかなか乗る機会が無いこと、そして何より海線*7経由より特急料金が安くなることを理由に青いルートを選択しました。

 

【教訓】

・まずは、情報収集を迅速に行うこと

 運転再開のめどが立たない場合は、即代行の手配をしなければならない。つまり、情報が入ってくるのが早い分、有利になるかもしれない、ということである

・無理な予定は立てない

 悪天候で遅れた場合は特にリカバーが難しい。予定にゆとりを持たせて、柔軟的に対応しよう

・異常時にはお金を払うのも悪くない選択

 予定からずるずるずれている場合は、路線バスや高速バス、新幹線ワープも積極的に使おう。お金がかかっても、行く宛がないよりはマシ

・駅員に詰め寄らない

 駅員は指令から指示があるまで運転計画を知らない

・道外に出る場合は船も検討しよう。

 飛行機や鉄道より意外と動きます

 

少しでも役に立てばうれしいなぁ、と思います。

え?役に立たない?

*1:近年では2016年クリスマス豪雪

*2:2015年9月、八雲町内で豪雨

*3:2016年の台風10号、石勝線・根室本線の被害の方が有名ですが

*4:それぞれ函館と青森に宿泊予定だったそうで、この時点で船の利用は難しい

*5:こいついつも輸送障害に巻き込まれてんな

*6:図中青のルート。短いが急曲線が多く、最高速度も低め

*7:図中赤のルート、距離は長いが直線的で、100km/h以上をコンスタントに出せるスピードコース。こっちの方が速いので特急のメインルート